家事を公平に分ける方法(無理に思えるときでも)
家事の配分は、静かに関係を壊します。誰かが怠けているからではありません。ほとんどの夫婦・カップルが、自分たちの家事の仕組みをはっきり設計したことがないからです。ただ、そうなっただけなのです。片方がなんとなく洗濯を始めました。もう片方が庭のことを引き受けました。時間がたつうちに、目に見えない仕事が偏って積み上がり、不満がたまり、いま食器のことで言い争っています。でも本当の問題は、片方が「家をひとりで背負っている」と感じていることです。
その直し方です。「もっと手伝う」というあいまいな約束ではなく、本物の仕組みで直します。
手順 1:仕事をすべて洗い出す
公平に分ける前に、全体像が見えていないといけません。ひとつの家庭がどれだけの繰り返しの仕事を生んでいるか、たいていの人は大幅に少なく見積もっています。
2 人で座って、すべて書き出してください。目につくものだけではなく、すべてです。
毎日の仕事: 料理、食器洗い、台所の片づけ、寝床を整える、散らかりを戻す、ペットのえさ、子どもの食事、弁当の用意
毎週の仕事: 掃除機、床拭き、風呂と洗面所の掃除、洗濯(洗う・たたむ・しまう。これは別々の仕事です)、買い物、ごみと資源ごみ、庭の手入れ
毎月の仕事: 念入りな掃除(オーブン、冷蔵庫、幅木)、片づけと不用品の整理、請求とお金の確認
目に見えない仕事: 予約を取る、学校や習いごとを調べる、贈りものを買う、献立を考える、薬の予定を覚えておく、契約中のサービスを管理する、ほかの保護者と連絡を取る、日用品が切れかけているのに気づく
いつも本題を始めるのは、最後の分類です。この「頭の中の仕事」は、やっていない側からはほとんど見えませんが、時間と気力をかなり食います。
手順 2:どれだけ嫌かに点をつける
家事の苦しさは同じではありません。それぞれが独立して、どれくらい嫌かを 1〜5 で全部の仕事につけてください。
驚くほど重なるところと、驚くほど違うところが出てきます。
- 片方は洗濯は平気だけれど、料理は大嫌いかもしれません
- もう片方は料理は平気だけれど、庭の作業が嫌かもしれません
- 一方にとっては拷問の仕事が、もう一方にはどうということもない場合があります
この好みの違いは宝です。食い違いはすべて、嫌さの小さいほうに割り当てるだけで得になる場面です。
手順 3:好みで割り当て、そのあと時間でならす
1 巡目: どちらかが明らかに気にしない仕事を割り当てます。自分は洗濯が平気で、相手は嫌いなら、洗濯は自分のものです。
2 巡目: 残った仕事 — 誰もやりたくないもの — は、件数ではなく 1 週間あたりの見積もり時間で分けます。洗面所ひとつの掃除(20 分)は、洗濯ぜんぶ(2 時間)と同じではありません。かかる時間のほうをならしてください。
3 巡目: 目に見えない、頭の中の仕事も、はっきり配ります。「家族カレンダーを管理する」は仕事です。「子どもの習いごとを調整する」は仕事です。「何かが切れかけているのに気づく」は仕事です。これらも、体を使う家事と同じように割り当てます。
手順 4:見えるようにする
割り当ては、2 人とも見られる場所になければいけません。Homsy のような共有アプリを使うと簡単です。どの仕事にも担当と予定がつき、家庭の全員に見えます。
見えることには 2 つの意味があります。
- 2 人とも配分の全体を見て、公平だと確かめられます
- どちらも相手をせかす必要がなくなります。責任の管理は仕組みが引き受けます
手順 5:見直して直す
月に一度、確認の時間を入れてください。5 分で十分です。家族会議の中でも、コーヒーを飲みながらでもかまいません。
- うまくいっているのは何か
- 公平でないと感じるのはどこか
- 割り当て直したほうがよい仕事はあるか
- 新しく出てきた仕事はあるか
家事の配分は、決めたら終わりではありません。暮らしは変わります。仕事の忙しさは動きますし、子どもは育ちますし、季節も変わります。仕組みは定期的に直す必要があります。
2 人とも働いているなら、分け方は実際にある時間にも収まらないといけません。共働きの家庭に向けた掃除の予定は、無理のない 1 週間の計画で、2 人で分ける 3 通りのやり方も最初から入っています。
「公平」という落とし穴
公平とは、同一ということではありません。それぞれの事情を踏まえて、2 人ともが「これは釣り合っている」と感じられることです。
片方が週 60 時間働き、もう片方が 30 時間なら、家事の 50 対 50 は公平ではありません。長く働いているほうへの罰です。片方に体の制約があるなら、式は変わります。片方が本当に散らかりが目に入らない(これは実際にある脳の個人差です)なら、そのことも計算に入れる必要があります。
目指すところは、収入のための仕事、家の仕事、育児、そして心の負担を合わせた全体が、無理なく釣り合っていると 2 人とも感じられることです。
「どこまでやったら終わりか」の問題
「台所を片づけた」の中身は、人によってまるで違います。ある人にとってのきれいは、別の人にとっては「散らかりを移動させただけ」です。
直し方は、仕事ごとに「終わり」の意味を決めておくことです。細かく口を出すためではなく、「やったよ」「やってないよね」の言い争いを避けるためです。掃除なら、最低限の状態を決めます。料理なら、どこからが料理で、どこからが残りものの温め直しなのかを決めておきます。
そして、求める水準が高いほうは、自分でやるか、相手のやり方を受け入れるかのどちらかです。仕事を割り当てておいて、そのやり方に注文をつけることはできません。
よくある質問
家事を 50 対 50 に分けるにはどうすればいいですか
本当の 50 対 50 は、件数ではなく時間で分けます。すべての仕事を書き出し、1 週間あたりの時間を見積もり、2 人が家の仕事に使う時間がだいたい同じになるように分けてください。体を使う仕事と並べて、目に見えない仕事(計画、予約、覚えておくこと)も数に入れます。
家事の言い争いが、なぜ繰り返されるのですか
たいていは、家の仕事の全体が見えていないからです。片方が抱えている目に見えない仕事の量を、もう片方が知らないのです。頭の中の仕事(予約、計画、気づくこと)まで含めて全部を洗い出すと、たいてい偏りがはっきりし、前に進む話ができるようになります。
子どもも家事の分担に入れるべきですか
入れてください。子どもには、家庭の仕組みの一部として年齢に合った家事を持たせるべきです。親の負担が減り、子どもは責任を学びます。割り当て方も同じです。見えるようにし、予定を決め、何をもって終わりかをはっきりさせます。
相手が家事の分担の話に乗ってくれません
まず洗い出しから始めてください。すべての仕事と、いま誰がやっているかを書き出します。偏りが目に見える形になると、どんな議論より説得力を持つことがよくあります。それでも動かないなら、夫婦のカウンセリングが、その下にある関係のかたちを扱う助けになります。