家事の公平な分担:研究が示していること
家事の分担は、人間関係の研究でもっともよく調べられてきた主題の一つで、結果は一貫していて、居心地の悪いものです。職場での男女の平等が何十年も進んできたのに、家の中は頑固に不平等なままです。
データを知ることは、誰かを責めるためではありません。直せるくらいはっきりと問題を見るためです。
数字
アメリカ労働統計局の生活時間調査は、人が時間をどう使っているかを追っています。2024 年のデータはこうです。
- 共働きの家庭で、女性は家事に 1 日平均 2.5 時間を使い、男性は 1.6 時間
- 共働きの家庭で、女性が家の仕事のおよそ 60% を担っている
- 子どもがいると、その差ははっきり広がる
- 女性は毎日の仕事(料理、掃除、子どもの世話)を担うことが多く、男性は周期的な仕事(庭仕事、修理)に寄りやすい
ただ、いちばん物を語る差は、体を使う仕事にはありません。頭を使う仕事にあります。
見えない仕事量
2019 年に Sex Roles 誌で発表された研究が、「家庭の認知的労働」という考え方を示しました。家庭を回し続けるための、計画し、整理し、見守り、先を読む仕事です。たとえばこういうものです。
- 子どもの靴がそろそろ小さいと知っていること
- 予約の時期を把握していること
- どの子に何のアレルギーがあるかを覚えていること
- 1 週間の献立を考えること
- 家の中の在庫を頭の中で数え続けること
- 家族のあいだで予定を合わせること
- 学校からの連絡と書類を扱うこと
この研究は、ほかの面では対等な関係であっても、この認知的労働の大半を女性が担っていることを示しました。そして重要なことに、認知的労働のほうが、体を使う仕事より、関係の緊張や燃え尽きと強く結びついていました。
なぜ差が残るのか
研究はいくつかの要因を挙げています。
育てられ方。 女性は子どものころから、家の必要に気づき、それに応えるように育てられます。男性はそうではありません。ここに「気づきの差」が生まれます。自然に見えますが、学習されたものです。
基準の違い。 二人のあいだで、きれいさの許容度が違うことがよくあります。散らかりに耐えられないほうが、無視できないぶん多くやることになります。
門番になること。 多くやっている側が、やり方まで握っていることがあります。相手の仕事をやり直したり、そのやり方を批判したりするのです。これは相手を遠ざけます。
見え方の偏り。 人は自分の貢献を多めに、相手の貢献を少なめに見積もりがちです。二人とも「自分のほうが半分より多い」と思っていることがよくあります。
実際に効くこと
公平な分担にたどり着いた二人の研究からは、共通した形が見えてきます。
1. すべてを見えるようにする
見えないものは分けられません。作業の棚おろし — 頭を使うものも含めて家の仕事をすべて書き出すこと — が欠かせない最初の一歩です。多くの二人が、この一覧そのものが転機になったと言います。それまで見えていなかった仕事が姿を現すからです。
2. 持ち主をはっきり決める
Gottman Institute の研究は、あいまいな取り決め(「二人でやろう」)が不平等な結果につながることを裏づけています。どの作業にも、はっきりした持ち主が要ります。「やるべきだ」ではなく、「(名前)が(この作業)を(この時刻まで)に担う」です。
Homsy のような共有アプリは、持ち主を目に見える形で残します。作業に名前がついていれば、あいまいさは消えます。
3. 頭の負担ごと渡す
頭を使う部分を残したまま体を使う作業だけを渡すのは、渡したことになりません。「買い物はあなたがやって」は、リストを作り、献立を考え、何を買うかを伝えるのが片方のままなら、途中で止まっています。
まるごと渡すとは、考えること、計画すること、実行することを持ってもらうことです。「献立と買い物はあなたが担う」なら、まるごと渡したことになります。
4. 基準の違いを受け入れる
研究によれば、片方の理想の基準ではなく「これで済んだと言える最低限」を話し合った二人のほうが、公平な分担を保てます。作業ごとに「終わった」の意味を決め、相手のやり方が自分と違ってもよいと受け入れてください。
5. 定期的に見直す
公平さは一度きりの会話ではありません。暮らしは変わります。仕事の要求が変わり、子どもが育ち、季節が移ります。公平さを保っている二人は、定期的に(毎月か、三か月ごとに)見直して調整しています。
関係への影響
結果についての研究ははっきりしています。
- 公平な分担は、二人とも関係への満足が高いことと結びついている
- 分担が公平だと感じている二人は、親密な時間がより多く、満たされている
- 公平な家庭の子どもは、性別の役割についてより開かれた考え方をもつようになる
- 家事に偏って多く担っている側は、うつと燃え尽きの危険が高い
公平な分担は、ぜいたくでも主義主張でもありません。関係の健康の問題です。
ここから始める
- 作業の棚おろしを二人でやる
- 頭を使う、見えない仕事も一覧に入れる
- どの作業にも、はっきりした持ち主を決める
- 共有して見える仕組みを用意する
- 毎月見直す
よくある質問
たいていの家では、家事は平等に分かれていますか。
分かれていません。共働きの家庭で女性が家の仕事のおよそ 60% を担い、頭を使う家事ではさらに大きな割合を担っていることが、研究で繰り返し示されています。何十年かで差は縮まりましたが、残っています。
家庭の認知的労働とは何ですか。
家庭を回すための頭の仕事です。献立を考え、予約を入れ、必要なものを把握し、大事な日付を覚えておき、予定を合わせ、起こりそうなことに備えること。研究では、体を使う仕事より燃え尽きと強く結びついていて、女性に偏って担われていることが示されています。
家事の偏りについて、パートナーとどう話せばいいですか。
責めるのではなく、データから始めてください。家の仕事をすべて書き出し、今それを誰が担っているかを二人で並べます。分担が目に見える形になれば、たいていそれ自体が語ります。過去のふるまいを責めるのではなく、二人で仕組みを作ることに目を向けてください。
家事を平等に分けると、関係はよくなりますか。
よくなります。家事の分担が公平だと感じられていることが、関係への満足の高さ、よりよい話し合い、より多い親密な時間と結びついていることを、いくつもの研究が示しています。鍵は「感じられている」という言葉です。数字の上で同じであることではなく、二人とも公平だと感じていることが大事なのです。