パラレル・ペアレンティングと共同養育:どちらが必要か
よい評判はすべて共同養育のほうに集まります。2 人の親が力を合わせ、よく話し合い、子どもを第一に置く。理想であることは間違いありません。ただ、理想には進んで参加する 2 人が要ります。相手が対立を煽る人だったり、こちらを操ろうとする人だったり、あるいはただ、もめごとを起こさずには連絡が取れない人だったりするなら、ふつうの共同養育は助けよりも害を生みます。
そこで出てくるのがパラレル・ペアレンティングです。これは失敗ではありません。直接の協力が、解決する数より多くの対立を生んでしまう状況のために設計された、もうひとつの型です。
何が違うのか
共同養育
2 人の親が積極的に協力します。子どものことを定期的に話し合い、一緒に決め、行事にも一緒に出て、予定は融通し合い、全体として 1 つのチームとして動きます。家が 2 つに分かれているだけです。
必要なもの: 互いへの敬意、まともに成り立つ連絡、譲り合う気持ち、そして双方が感情を扱えること。
パラレル・ペアレンティング
それぞれの親が、自分の家を自分で回します。連絡は最小限で、内容は段取りに限ります。決めごとは共有せず、分けます。予定は動かさず、書かれたとおりに守ります。親同士のやり取りは、必要最低限に抑えます。
必要なもの: はっきりした線引き、細かく書かれた養育計画、文字での連絡、そして対立から降りる自制心。
パラレル型を選ぶとき
パラレル・ペアレンティングが向いているのは、こういう場合です。
- 直接やり取りすると、いつも対立に発展してしまう
- 片方の親が、連絡を支配や操作の道具にしている
- 子どもが親の言い争いにさらされている
- 片方の親にパーソナリティ障害や、対立を強く求める傾向がある
- 家庭内の暴力の経緯があり、直接会うことが安全ではない
- ふつうの共同養育を試したが、うまくいかなかった
パラレル型はどう回すのか
連絡
- 文字だけ。 メールか共同養育のアプリを使います。電話も、子どもについての対面の相談もしません。
- 段取りだけ。 「土曜の 10 時にサッカーの試合があります。スパイクが要ります。」と書きます。「また夜更かしさせていましたね」とは書きません。
- 返信までの時間を決めます。 急ぎでないものは 24〜48 時間など、無理のない返信時間を取り決めます。すぐ返ってくることを期待しません。
- 挑発には乗りません。 段取りの中に人格攻撃が混ざったメッセージが来たら、段取りの部分にだけ返します。残りは無視します。
決めごと
一緒に決めるのではなく、決める分野を分けます。
- 親 A が決める: 医療、宗教の育て方
- 親 B が決める: 学校のこと、習いごと
- 2 人で合意する(必要なら第三者を入れて): 大きな変化(引っ越し、転校)
それぞれの親は、自分の分野の中では相手の承認なしに決めます。相手には知らせますが、同意を求める必要はありません。
予定
- 動かさない。 面会交流の予定を、書かれたとおりに守ります。融通の利く交換はしません。
- 文字で。 どうしても変更が要るときは、余裕のある時期に、文字で依頼します。
- 受け渡しは中立の場所で。 学校の送り迎えを引き継ぎ点にすると、親同士が直接会わずに済みます。あるいは、決めておいた中立の場所を使います。
行事
- 別々に出ます。 学校行事や習いごとには 2 人とも出られますが、隣に座らず、やり取りもしません。
- 一緒に出ることを求めません。 誕生日会、面談、通院は、どちらか一方が担当するか、別々に行います。
道具を使う
共有カレンダーを(Homsy のようなアプリで)使うと、直接やり取りしなくても、2 人とも子どもの予定を見られます。カレンダーそのものが連絡の経路になります。予定を入れることが、相手に伝えることになるのです。
対立が激しい場合には、OurFamilyWizard のような専用のアプリが、裁判で証拠として使える形ですべての連絡の記録を残します。
子どもに伝えるべきこと
パラレル型の中にいる子どもには、これが要ります。
- どちらの親も自分を愛しているという安心。 親同士のやり取りが減っているのは、自分のせいではありません。
- どちらの親も好きでいてよいという許し。 子どもをあいだに立たせないでください。
- 一貫性。 大事なところの決まりは、2 つの家で似ていること(守らせ方が違ってもかまいません)。
- 対立からの保護。 大人のもめごとから子どもを守ることが、パラレル型のいちばんの目的です。
パラレル型から共同養育へ
パラレル・ペアレンティングは、ずっと続けなければならないものではありません。いちばん対立の激しい時期(別居から最初の 1〜2 年であることが多いです)にこの型を使い、気持ちが落ち着くにつれて、協力的な共同養育へ少しずつ移っていく家庭もあります。
移ってよさそうな合図です。
- 6 か月以上、連絡が落ち着いた調子で続いている
- 2 人とも、子どもの話を感情的にならずにできる
- パラレル型のもとで、子どものことがきちんと足りている
- 2 人とも、もっと協力してみようという気がある
移り方は段階的にしてください。直接やり取りする分野をひとつ増やし、様子を見て、それから広げます。
よくある質問
パラレル・ペアレンティングとは何ですか
それぞれの親が、直接のやり取りを最小限にして自分の家を独立して回す、共同養育の型のひとつです。連絡は文字だけで、内容は段取りに限ります。決めごとは一緒に決めるのではなく、分野ごとに分けます。ふつうの共同養育が解決するより多くの問題を生んでしまう、対立の激しい状況のために設計されています。
パラレル型は子どもに悪いのではありませんか
そうではありません。対立の激しい状況では、絶え間ない言い争いに子どもをさらしてしまう共同養育の試みより、パラレル型のほうが子どもにとって良いのです。子どもは親の対立から守られているときにいちばんよく育ちますし、パラレル型は対立が起きる機会そのものを減らすことでそれを実現します。
パラレル型では、どうやって連絡を取りますか
文字だけ(メールか共同養育のアプリ)で、段取りに限り、返信までの時間を取り決めておきます。挑発には返しません。メッセージは短く、事実だけを、子どものことに絞って書きます。共有カレンダーを使うと、直接やり取りする必要そのものが減ります。
パラレル型は、いずれ共同養育に変えられますか
変えられます。対立の激しい時期をパラレル型で過ごし、気持ちが落ち着くにつれて協力的な共同養育へ移っていく家庭は多くあります。移るときは段階的に進め、連絡が落ち着いた調子で長く続いているときにだけ試してください。