対立を減らす、共同養育の連絡のこつ
共同養育の連絡は、ふつうの連絡とはまるで違います。感情を揺さぶってくる相手と段取りを合わせ、失敗できない話題(自分の子ども)を話し、しかも過去のわだかまりがどのメッセージの裏にも潜んでいる場所で、それをやることになります。
いちばん効くやり方は、仕事の連絡として扱うことです。事務的というのは冷たいという意味ではありません。組み立てがあり、目的があり、目の前の仕事(子どもをよく育てること)に集中している、という意味です。
BIFF のやり方
対立の強い場面を専門とするセラピストで調停人の Bill Eddy は、共同養育の連絡のために BIFF という枠組みを作りました。
Brief(短く)。 言うべきことを言って、そこで止める。2 段落より 2 文のほうが勝ちます。
Informative(事実を)。 事実と段取りにとどめる。「木曜の 15 時にサムの通院があります。連れていけますか」。「サムの健康にもっと気を配るべきだ」ではなく。
Friendly(穏やかに)。 落ち着いた、十分にあたたかい調子で。「対応してくれてありがとう」は大きく効きます。
Firm(はっきりと)。 何がいつ必要かをはっきりさせる。あいまいにしない。「いつでもいいので教えて」より「水曜までに知りたいです」。
経路のきまり
書いたもので伝える
段取りには、電話ではなく、メッセージ、メール、あるいは共同養育アプリを使ってください。書いた連絡は、こういう働きをします。
- 二人が後から参照できる記録が残る
- 相手が反射ではなく、落ち着いて返せる
- 読み違いが減る(書いてあれば「そんなことは言っていない」は消えます)
- 法的な問題が起きたときの記録になる
合った道具を使う
- 共同養育アプリか家族向けの整理アプリ(Homsy、OurFamilyWizard): 予定の管理、行事の段取り、連絡の整理にいちばん向いています
- メール: 記録を残したい、長めの話し合いに向いています
- メッセージ: 急ぎで時間の迫ったものだけに(「迎えに 10 分遅れます」)
- 電話: 本当の緊急時だけに
SNS は避ける
子どものことを SNS で連絡しないでください。共同養育の不満を公に書かないでください。対立を生み、子どもに恥ずかしい思いをさせ、法的にあなたに不利に使われることもあります。
何を伝えるか
必ず共有すること:
- 予定の変更(できるだけ早めに)
- 医療の情報(病気、薬の変更、通院)
- 学校のこと(成績、ふるまい、近く来る行事)
- 安全にかかわる心配
- 連絡先の変更
こちらから進んで共有すること:
- 習いごとの近況(新しいスポーツ、レッスン、友達関係)
- 気づいたふるまいの傾向
- 良い知らせ(できるようになったこと、笑った出来事)
連絡しないこと:
- 自分の私生活(子どもに直接影響しないかぎり)
- 過去の関係のわだかまり
- 相手の新しいパートナー(安全にかかわる心配がないかぎり)
- お金の争い(弁護士か調停人を通してください)
よくある場面の言い回し
予定の変更のお願い
「こんにちは。[日付]、私が子どもと過ごす時間に仕事の予定が入りました。その晩、子どもたちをお願いできますか。翌週にもう 1 晩引き受けて埋め合わせます。[日付]までに教えてください」
医療の報告
「短くお知らせです。今日[子どもの名前]が[理由]で受診しました。診断は[内容]。治療の方針は[内容]。そちらですぐに必要なことはありませんが、共有しておきます」
習いごとの申し込み
「[子どもの名前]が[習いごと]をやりたいと言っています。[日程の詳細]で、費用は[金額]です。[誰の時間]と重なります。どう思いますか。[日付]までに決めたいです」
意見が食い違うとき
「見方が違うことはわかりました。私の考えは[短い説明]です。[具体的な時間]に、あるいは[調停人/共同養育のカウンセラー]を通して話し合えますか」
感情の引き金への向き合い方
共同養育の連絡でいちばん難しいのは、どのボタンを押せばよいかを知り尽くしている相手を前に、自分を保つことです。手立てはこうです。
返す前に待つ。 急ぎでないかぎり、こちらを揺さぶるメッセージには 30 分(あるいはもっと)置いてから返してください。下書きを作り、落ち着いてから読み返します。
「仕事のめがね」で読む。 同僚から来たメッセージだと思ってみてください。感情の歴史をはがす。どんな情報が伝えられているか。それに対して返します。
餌に食いつかない。 挑発や、人格への攻撃や、罪悪感を突く言葉が入っていたら、段取りの部分だけに返してください。残りはまるごと無視します。
「裁判官なら認めるか」の試験。 どのメッセージも送る前に、こう問うてください。これが法廷で読み上げられたら、自分にとって良く映るか。映らないなら、書き直してください。
連絡がうまくいかないとき
手を尽くしても、ふつうの連絡が成り立たなくなったら。
- 共同養育のカウンセリング。 専門の調停人が、連絡のきまりを作る手助けをしてくれます。
- 並行養育。 連絡を必要最低限の段取りだけにして、それぞれの親が自分の家庭を独立して回します。
- 弁護士を通した連絡。 本当に対立の強い場面では、弁護士に情報を中継してもらうことで、直接の接触をなくせます。
- アプリだけにする。 すべての連絡を記録の残るアプリに移すと、組み立てと責任が生まれます。
難しい力学の切り抜け方は、難しい元配偶者との共同養育の手引きをご覧ください。
よくある質問
共同養育をする二人は、どう連絡を取るべきですか
段取りはすべて、書いたもの(メッセージ、メール、共同養育アプリ)で。メッセージは短く、事実を、穏やかに、はっきりと(BIFF のやり方)。子どものことに集中してください。共有カレンダーを使えば、予定の情報は伝えなくても見えます。
共同養育をする二人は、どれくらいの頻度で連絡すべきですか
子どもの段取りに必要なだけ、それ以上ではなく。共有カレンダーがあれば、予定の情報は二人に見えているので、直接連絡する必要が減ります。週に一度のメールでの近況と、急ぎのときのメッセージで足りると感じる人は多いです。
相手の親に言うべきでないことは何ですか
避けるべきなのは、過去の関係への不満、相手の子育てへの批判(安全にかかわる問題がないかぎり)、相手の新しいパートナーについての言葉、お金の争い、そして法廷で読まれたくないこと全部です。どのメッセージも、子どものことに集中させてください。
協力してくれない相手とは、どう連絡すればいいですか
書いたものだけに移し(記録のために)、メッセージをとことん短く事実だけにして、挑発には乗らず、並行養育を考えてください。直接の連絡がうまくいかない状態が続くなら、調停人か弁護士を入れてください。