中高生の家事:効くやり方、効かないやり方、そしてなぜ嫌がるのか
短い答え: 中高生が家事を嫌がるのは、脳の発達から見てふつうのことです。そこを抜けるのは自主性です。決まったリストの中からどの家事をやるか自分で選ばせ、貢献を本物の権利につなげ、小言をやめてください。小言は事態を悪くします。
家事を頼むたびに人格を攻撃されたかのように反応する中高生がいても、親として失敗しているわけではありませんし、その子が悪い子だというわけでもありません。その抵抗は、脳の働きという本当の意味で、予測できるものです。
前頭前野 — 実行機能、先を考えること、原因と結果の理解をつかさどる部分 — は、25 歳ごろまで完全には育ちません。「いまこの作業をやれば、家の回りがよくなる」という筋道で考える力は、中高生には大人ほどありません。言い訳にはなりませんが、幼い子や大人に効くやり方が中高生にだけ通じない理由は、これで説明がつきます。
「なぜ」が分かると、仕組みの作り方が変わります。
中高生の発達に合っているのは何か
よくある間違いが 1 つあります。8 歳のときと同じ種類の作業を、量だけ増やして中高生に割り当て続けることです。「ベッドを整える、部屋を片づける、ゴミを出す」は、子ども向けの家事のリストを若い大人に当てはめたもので、本人は言葉にできなくても、そのずれを感じ取ります。
中高生の発達に合った家事は、身のまわりの世話だけではなく、本当の持ち場と家庭への貢献をともないます。
自分の領分(完全に任せる。小言はなし):
- 自分の部屋 — その状態は本人の責任であって、親の責任ではありません
- 自分の洗濯 — 洗って、干して、たたんで、しまうまで
- 自分専用の洗面所やトイレがあるなら、その掃除
家庭への貢献(週に 1〜2 件):
- 週に一度、食事を作る
- リストを持って買い物に行く
- 庭の手入れ、草取り
- 家族で使う洗面所やトイレの掃除
- 1 日ぶんの食器を引き受ける(自分の皿をすすぐだけではなく)
- 共用の場所に掃除機をかける
- 自転車や車のかんたんな手入れ(洗う、空気圧を見る)
この区別が効きます。家庭への貢献にあたる作業は、家族全員の暮らしをよくします。本人にしか関わらない身のまわりの世話とは、心理的な位置づけが違うのです。多くの中高生は、そう位置づけて見せられると、前より応じてくれます。完璧にではありませんが、前よりは。
年齢ごとの細かい分け方は、年齢に合った子どもの家事を見てください。
本当に効く動機づけの形
よくあるやり方 — 家事ごとにお金を払う、何度も言う、きょうだいと比べる — は、中高生にはいつも同じように失敗します。その理由と、代わりに何をするかを書きます。
割り当てより、自主性を。 毎週やらなければならない家の作業のリストを渡して、そのうちどれを引き受けるか本人に選ばせてください。リストは交渉できませんが、選ぶのは本人です。この小さな違いが効くのは、自主性が中高生にとって発達上の中心的な必要だからです。割り当てられるのは支配されている感じがし、選ぶのは自分で決めている感じがします。結果 — 家事が終わること — は同じでも、そこまでの道が効きます。
小言より、自然な結果を。 洗濯をしなければ、汚れた服を着ることになります。自分の洗面所を掃除しなければ、使うのが不快になります。親が割って入って助けてしまうと(自分で洗濯してしまう、来客の前に掃除してしまう)、その自然な結果が消え、やらなくても代償はないと教えることになります。これは実行が難しいやり方です。ある程度の居心地の悪さに耐えないといけないからです。ですが、小言が明らかに効かない場面で、これは効きます。
貢献を権利につなげる。 これは罰ではなく、現実です。大人の暮らしでは、貢献が権利を手に入れます。中高生にとって、それにあたるのは、家庭への貢献がスマホを使えること、車や自転車を使えること、友達と出かける自由、門限が遅くなることにつながる、という形です。家事 1 件ごとの取り引きではなく、家庭全体の考え方として。家に貢献する人は、家の中でより多くの自主性を得る、ということです。
効かないもの:
- 2 回以上言うこと(親が背景の雑音になります)
- きょうだいやよその子と比べること(「お姉ちゃんは二度言われたことなんてない」)
- 何にでもお金を払うこと — 期待を超えた作業への小さな上乗せは効くことがありますが、家庭への基本の貢献にお金を払うと、自分の労働は親が買っているサービスであって家族としての責任ではない、と教えることになります
- やり通さない脅し
見張られていると感じさせずに家事を記録する
中高生向けの家事の記録の仕組みで目指すのは、監視ではなく、見えることです。この 2 つは違いますし、本人はその違いを感じ取ります。
作業が並んでいて、終わったら印を付けられる共有アプリは、自分の記録を自分で持たせてくれます。何が割り当てられているかを見て、自分でチェックを入れられますし、親は「もう食器やった?」と 6 回も送らずに状況を見られます。そのやり取り — 小言が住んでいる場所 — がなくなること自体が、たいてい本当の解決になります。
うまくいくための、大事な設定はこれです。
- 中高生も自分のログインを持ち、自分の作業に自分で完了の印を付ける
- 通知は親ではなく本人に届く(親は状況を見られますが、リマインダー役ではありません)
- リストは毎日見張るのではなく、週に一度、短い家族の集まりで見直す
Homsy はここをうまく扱います。家庭の作業の画面は共有されていながら、自分の項目は自分で管理するからです。本人は見張られているのではなく、全員が使うのと同じ仕組みに加わっています。この位置づけは、見た目以上に中高生にとって大事です。
どの年齢の子にも通じるやる気の話は続く家事のやる気の作り方を、年齢をまたいで働く目に見える家事分担表の作り方は家族の家事分担表のガイドを、それぞれ見てください。
どれも効かないとき
家事の仕組みが問題ではないこともあります。別の何かが起きているのです。前は自分の作業をやっていた子が、まったく関わらなくなったなら、その裏に不安や気分の落ち込み、人間関係の負担など、外からは怠けに見えるものがあるかもしれません。
抵抗が最近始まって、しかも強いなら、そしてほかの様子も変わっているなら(睡眠、食欲、人と会わなくなること)、家事の話は正しい入り口ではありません。家事は待てます。
抵抗がふつうの年ごろの引っかかりで、もっと深い合図ではないなら、上のやり方 — 自主性、自然な結果、貢献と権利をつなげること — がいちばん見込みがあります。正しいアプリや完璧な家事分担表よりも、辛抱と一貫性が要ります。ですが、はっきり見える仕組みがあると、何が期待されているのか、それがやられているのかというあいまいさから生まれる争いの、かなりの部分が消えます。
よくある質問
中高生には、週にいくつくらい家事を任せればいいですか
自分の領分(洗濯、自分の部屋、自分の洗面所)を完全に任せたうえで、週に 1〜2 件の家庭への貢献にあたる作業、というのが多くの子にとってちょうどよい出発点です。本人がやる気なら増やしてもかまいませんが、リストを盛りすぎると裏目に出がちです。重すぎると感じた瞬間に、全部が無視されます。
中高生に、家事のお金を払うべきですか
家庭への基本の貢献にお金を払うと、家族への貢献は取り引きではなく分け合う責任だ、という学びが崩れがちです。本当に期待を超えた作業(いつも以上の庭仕事、大がかりな片づけの手伝い)への小さな上乗せは効くことがあります。作業ごとの支払いではなく、家庭への参加にゆるくひもづいたおこづかいは、多くの家庭がちょうどよいと感じる中間の形です。
きょうだいと比べて家事が不公平だと言われます。どうすればいいですか
はねつけずに、まず受け止めてください。中高生にとって公平さは大事ですし、不公平だという感じ方は強い不満を生みます。実際の配られ方を見直してください。本当に偏っているなら、直します。年齢と力に見合っているなら(つまり 16 歳が 10 歳より多いなら)、そのことをそのまま説明してください。公平だと言い張るより、理由を隠さず話すほうが効きます。
自分の洗濯は、何歳から始めさせればいいですか
多くの子は、最初に少し教えれば 12〜13 歳で洗濯をひとりでこなせます。14〜15 歳になれば、完全に本人の責任にしてよいところです。これは、親が早めに渡せるもののうち、いちばん役に立つことのひとつです。大人になれば毎日使う生きる力ですし、親のリストからも、繰り返される大きな作業を 1 つ消してくれます。